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about THE NORTH FACE

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Questions
for Our Fellow

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about
THE NORTH FACE

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Questions for Our Fellow

あの人に聞く、THE NORTH FACEのこと

1966年、アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコで創業したThe North Face。日本では1978年に本格的に国内での展開がスタート。約半世紀もの間、プロダクト、デザイン、マーケティングなどさまざまな側面で探求の旅を続けている。

Fellow_1

小林節正/. . . . . Research代表

日本の山屋の風情を変えた、
カルチャーを引っ提げた黒船ブランド

The North Faceは、内向感、閉鎖的、排他的なムードに陥りがちだった山屋の売り場の景色を、カラフルな商品によって変えてしまった黒船ブランド。当時、自分の中では最新のアイデアであったバックミンスター・フラーのジオデシック・ドームを、エクスペディション・テントとして商品化したブランドとしての強い印象があります。テンセグリティ構造の中で寝泊まりができる世界初のプロダクトは、エベレストのベースキャンプに採用されるほどの高い実用性能を備えながら、初期ヒッピーカルチャーの匂いが刷り込まれているところも魅力的です。

愛用しているものは、もちろん〈2-METER DOME〉。2006年に購入した2つです。その2張りで暮らす場所としてたどり着いたのが、現在も通っている長野県の山間にある川上村。現地に築いたプライベートキャンプ場では、〈2-METER DOME〉がきれいに見えるスケールでデッキを設計しています。つまり、主役は建造物ではなくてあくまでもテント。1張りはキッチンとして、もう1張りは寝室としてといった具合に、状況に応じて2つのドームを使い分けながら、川上村で自分なりの山暮らしを長年実践しています。〈2-METER DOME〉とともに四季の森の変化を体験したことや観ることができた景色は、自分にとって、創造意欲をかきたててくれる最高の栄養になっています。

小林節正

Mountain Researchを筆頭にさまざまなリサーチ・プロジェクトを擁する「. . . . . Research」主宰。〈2-METER DOME〉とともに山の暮らしを実践する長野県川上村のプライベートキャンプ場通いは、20年の月日を迎えようとしている。新プロジェクト"Mountain Folks Tailoring"の発表が間近。

Fellow_2

林 紗代香/『TRANSIT』統括編集長

山や海などの自然と街を、
シームレスに繋ぐアウトドアブランド

The North Faceは、山登りを始めた当初(2000年代後半)は、登山を中心としたアウトドアシーンで活躍するブランドとして認識していましたが、今では、山や海などの自然と街をシームレスに繋ぐブランドであると感じます。ヒマラヤなどの高所登山をサポートするサミットシリーズをはじめ、熱心なアウトドアユーザーにも選ばれているという信頼を機能面で保証しているところ。さらに、アウトドアブランドとしての矜持を保ちながら、サイズ感やカラー展開など、時代の気分を反映したデザインで応えることで、特にユース世代にはストリートファッションとしても受け入れられていると感じます。また、アートや音楽、写真といったカルチャーへの造詣・理解も深く、多角的な視点で自然と人の関係を見つめていると感じます。現代美術家・Sam Fallsとのコラボレーションも記憶に新しいです。

愛用しているのはインナーダウンの〈REDPOINT LIGHT JACKET〉。もともと登山用に購入したのですが、山小屋や雪山での行動時に活躍するのはもちろん、気候が読めない土地への移動や室内外で寒暖差の激しい海外旅行にも便利なので、携行するようになりました。とにかく軽量でコンパクトなんです。コロナ禍以降は、都内を自転車で移動する機会も増え、普段着のコートの下に着用するインナーダウンとしても愛用中。気がつけば、12年以上着用しています。

林 紗代香

編集者。2008年創刊号より『TRANSIT』に編集者として参加。女性向け旅雑誌『BIRD』編集長を経て、2016年の発刊34号より2024年の65号まで『TRANSIT』編集長を務める。現在は季刊誌とWEBを統括する立場としてTRANSITの新規事業に取り組んでいる。