アクティビティとキャンプを
掛け合わせて
新しい遊び方を提案したい
昨年リニューアルオープンした恵比寿ガーデンプレイス内に店舗を構えるTHE NORTH FACE CAMPで働くのは、同店舗の誰もが認めるキャンパーの奥山勇太さん。キャンプと向き合い続け、Exploringし続けたからこそ見える、キャンプの魅力と可能性とは何か、THE NORTH FACEだからこそできる手段としてのキャンプとはどんなものなのかを伺った。
幼い頃から父親の影響でジャズやブルースといったアフリカ系アメリカ人によって生まれた音楽を聞いて育った奥山さんは、学生時代にヒップホップやテクノを聴き始め、学生時代には音楽フェスやレイヴに通っていた。
「当時はレイヴが盛んだった時代なのもあって、音楽を楽しむためには屋外を楽しむことが必須だったんです。そこでキャンプを初めてしたのですが、当初は音楽を楽しむためのアウトドアという感じでした」
次第にキャンプやアウトドアへの興味が強くなり、大学卒業後は某アウトドアブランドに就職。お客様にキャンプの知識を伝えられるようになるために、仕事場とキャンプ場を行き来する生活を過ごし、キャンパーとしてのスキルを上げていく。そんななかで、キャンプを目的とするよりも、ランニングやクライミングなどの幅広いアクティビティを探求する「手段」としてキャンプを提案できる可能性を感じ、THE NORTH FACEに転職した。
「幅広いアクティビティとキャンプを掛け合わせることで、新たな遊び方の提案ができると感じたんです。例えば、トレイルランニングで、もっと先に面白い場所があるけど日帰りでは行けないときに、テントがあれば先に進めるじゃないですか。アクティビティの幅をさらに広げる手段としてキャンプが使えるなと思いました」
アクティビティの幅は広く、スケートボードやスノーシューイングといった運動も、「豚骨のガラを出す際に匂いがきつくて家ではなかなかできないラーメン作り」にもキャンプをしながら挑戦できると奥山さんは提案する。キャンプを用いたアクティビティの可能性はいわゆるアウトドアアクティビティにとどまらず、無限大に広がることを教えてくれた。
現在では奥山さんにとってキャンプは、自然と関わり自身の感覚を研ぎ澄ましたり、子どもの成長を感じたりする手段にもなっているという。
「自然の中にいると、図らずとも入ってくる情報が多いんです。風がこっちから吹いているとか、雨が降る前に土の香りが湧き上がるとか。そういった自然や1日の移り変わりにすごく敏感になって、五感が研ぎ澄まされるんです。なので、仕事のアイデアがほしいときにソロキャンプをするといいアイデアがひらめいたりします。それは子どもも同じで、家族でキャンプをしているときに、『空がオレンジになったね、あっちの方はねずみ色』と色の移り変わりを教えてくれたんです。子どもがそういった感覚を言語化したり、成長している姿を見れたりする家族キャンプが今はとても楽しいですね」
目的ではなく手段としてのキャンプ。奥山さんは今後もキャンプを通してあらゆる可能性を見つけていくのだろう。そんな出会いに奥山さん自身もワクワクしていると話す。
「まだまだキャンプと一緒にトライできていないアクティビティがたくさんあります。それを一つずつ増やして、いろんな遊び方を提案できるようになりたいです。次はロッククライミングに挑戦してみたいですね。だから私の探求は、Never Stop Campingです」