ATHLETE EVERYONE ADVENTURE RACERALPINE CLIMBERCLIMBERSPHOTOGRAPHERRUNNERSSKIERS & SNOWBOARDERS CLIMBERS 野口 啓代 Akiyo Noguchi 1989年生まれ クライミングとの出会いは、小学5年生の夏休みに家族で訪れたグアムだった。ゲームセンターに設置されていたクライミングウォールで遊んだことが楽しく、帰国後すぐに地元のボルダリングジムに通い始める。翌年には全日本ユース選手権に出場し、中高生を抑えて初優勝。「天才少女現る」と注目を集めるようになる。中学生になると、父親が自宅に練習用ウォールを設置してくれたことで環境が整い、実力は一気に開花。16歳でシニアの世界選手権に初出場し、リード種目で3位に入賞。これは日本人最年少、かつアジア人女子初のメダル獲得という快挙だった。この2005年から、東京五輪後に引退するまでの17年にわたり、国内では、ジャパンカップでボルダリング9連覇を含む通算11回の優勝、リードでも3連覇を含む4回の優勝と無敵の存在だった。さらに、通算100戦以上出場した国際大会では、ワールドカップ・ボルダリングで4度の年間優勝を含む通算21勝を記録。世界選手権でも、リード、ボルダリング、コンバインドの各種目で計6回の表彰台に立っている。そして、クライミングが正式種目に採用された2020東京五輪にかける思いは格別だった。自国開催の金メダル候補として、大きな期待と重圧を背負いながらもそれをはね除け、最後のリード種目で銅メダルを手繰り寄せ、有終の美を飾った。競技生活からの引退後は、日本代表のトップクライマーである楢崎智亜と結婚し、一女を授かる。現在は、母として幼い子どもを育て、夫のオリンピック挑戦を妻として支えながら、自身を成長させてくれたクライミングの普及と後進の育成に力を注いでいる。「クライミングは、ボールを買えば家のなかででも始められるようなスポーツではありません。だからこそ、触れるきっかけをもっと増やしてあげたい」とやわらかな笑顔で語る。選手時代とはまるで違う時間の使い方だが、今は、毎日それなりに忙しく、充実した時間を心から楽しんでいる。 ジャパンカップ ボルダリング9連覇(2005〜2013年)、合計11回優勝 ジャパンカップ リード3連覇(2005〜2007年)、合計4回優勝 ジャパンカップ スピード優勝(2021年) ジャパンカップ コンバインド優勝(2021年) ワールドカップ・ボルダリング 通算21勝(2008〜2019年) ワールドカップ・ボルダリング 年間優勝4回(2009、2010、2014、2015年) 2005年 世界選手権(ドイツ・ミュンヘン大会) リード3位 2007年 世界選手権(スペイン・アピレス大会) ボルダリング2位 2014年 世界選手権(ドイツ・ミュンヘン大会) ボルダリング3位 2018年 世界選手権(オーストラリア・インスブルック大会) ボルダリング2位 2019年 世界選手権(八王子大会) ボルダリング2位、コンバインド2位 2021年 オリンピック2020東京大会 女子複合銅メダル EXPLORE ATHLETE 野口 啓代 Akiyo Noguchi アレックス・オノルド Alex Honnold ダニエル・ウッズ Daniel Woods 石井 秀佳 Mishika Ishii OTHER CLIMBERS
1989年生まれ
クライミングとの出会いは、小学5年生の夏休みに家族で訪れたグアムだった。ゲームセンターに設置されていたクライミングウォールで遊んだことが楽しく、帰国後すぐに地元のボルダリングジムに通い始める。翌年には全日本ユース選手権に出場し、中高生を抑えて初優勝。「天才少女現る」と注目を集めるようになる。中学生になると、父親が自宅に練習用ウォールを設置してくれたことで環境が整い、実力は一気に開花。16歳でシニアの世界選手権に初出場し、リード種目で3位に入賞。これは日本人最年少、かつアジア人女子初のメダル獲得という快挙だった。この2005年から、東京五輪後に引退するまでの17年にわたり、国内では、ジャパンカップでボルダリング9連覇を含む通算11回の優勝、リードでも3連覇を含む4回の優勝と無敵の存在だった。さらに、通算100戦以上出場した国際大会では、ワールドカップ・ボルダリングで4度の年間優勝を含む通算21勝を記録。世界選手権でも、リード、ボルダリング、コンバインドの各種目で計6回の表彰台に立っている。そして、クライミングが正式種目に採用された2020東京五輪にかける思いは格別だった。自国開催の金メダル候補として、大きな期待と重圧を背負いながらもそれをはね除け、最後のリード種目で銅メダルを手繰り寄せ、有終の美を飾った。競技生活からの引退後は、日本代表のトップクライマーである楢崎智亜と結婚し、一女を授かる。現在は、母として幼い子どもを育て、夫のオリンピック挑戦を妻として支えながら、自身を成長させてくれたクライミングの普及と後進の育成に力を注いでいる。「クライミングは、ボールを買えば家のなかででも始められるようなスポーツではありません。だからこそ、触れるきっかけをもっと増やしてあげたい」とやわらかな笑顔で語る。選手時代とはまるで違う時間の使い方だが、今は、毎日それなりに忙しく、充実した時間を心から楽しんでいる。