
知るロング・ディスタンス・ハイキングの世界への誘い
ロング・ディスタンス・ハイキングは
歩く距離が長い分だけ物語がある。
ロング・ディスタンス・ハイキングの世界へと
誘ってくれる本をハイカーたちが
セレクション。


未来を拓く冒険『歩く』
「歩くこと=学び」というコンセプトで、教育学者の田口康大さんと一緒に作った本です。アーティスト、詩人、写真家、お茶の人、いろんな人の「歩く物語」が収められていて、歩くことを通して、何を学べるか、何を感じるかを探っています。
僕自身にとっても、歩くことは土地の文化や歴史を理解するだけじゃなくて、自分のことを深く学ぶきっかけにもなっています。この本にも載せていますが、暮らしている静岡・焼津を起点に「KATSUO TRAIL」というトレイルをつくりました。その作業をしている時に、「あ、自分はトレイルをつくるのが得意なのかもしれない」と思ったんです。雑誌を編集している感覚に近くて、すごく楽しいんですよね。
日本各地にトレイルはたくさんあるから、つくったというだけでは埋もれてしまう可能性がある。だからこそ、「歩くこと=学び」という価値観を大切にしていきたいんです。


街道を歩く魅力に惹かれています
バックパッキングのスタイルをつくったコリン・フレッチャーによる、ハウツー本みたいな存在です。古本屋で見つけて、めっちゃ読み込みましたね。
バックパッキングの歴史をたどると、定住生活以前の人たちは「移動しながら暮らす」という形を持っていましたし、遊牧民もいますね。現代では、多くの人がロマンとして、ノマド的な生き方として実践するための行為になっていると思います。
コリン・フレッチャーは、ウィルダネスを歩く歓びを伝えた人です。もちろん僕も自然の中を歩くのは大好きなんだけど、どちらかといえば街道を歩く方が好きですね。街道を歩くと、これ以上ないくらい“旅をしてる感覚”が味わえます。
自分の力で歩いて、自分の好きなペースで進む。しかも昔の街道を歩けば、美味しいものにたくさん出会えるし、文化や人とのつながりも生まれる。それがすごく魅力的なんです。
※1968年刊行の『The Complete Walker』の第2版として出版された『The New Complete Walker』が、『遊歩大全』(ヤマケイ文庫)として翻訳されている。
edit&text:Takuro Watanabe
photo:Taro Hirano




