1988年生まれ

京都府出身。スノーボードとの出会いは中学1年のとき。地元のスキー場でボードをレンタルして滑ったのが始まりだった。高校生になるとジャンプする楽しさを覚え、フリースタイルにのめり込む。高校卒業後はウインタースポーツの専門学校に進み、卒業後の21歳で初出場した大会「The Slope」で優勝。さらに2年後の2011年には「TOYOTA BIG AIR」で日本人最高位の5位に入賞し、海外遠征への道が開ける。当時は「誰よりも高く飛び、より高難度の技を」と、ひたすら技術と結果を追い求めていた。しかし、海外の多様な文化や大きな自然に触れるなかで、技を競い合うだけのスノーボードに違和感を覚えるようになる。そんなときに思い出したのは、壮大な景色を背景に大斜面を滑るバックカントリーの映像への憧れだった。そうしてコンペシーンを退き、「Heart films」の北米撮影トリップに毎年のように参加するようになる。藤田にとって、もう一つの重要な転機になったのは、「GENTEMSTICK」というスノーボードブランドとの出会いだった。20代後半を迎え、すでにキャリアも長くなっていたが、そこにはそれまで知らなかったスノーボードの世界が広がっていた。トップ・トゥ・ボトムで地形とラインにこだわるサーフライクなライディングは、ターンの奥深さと楽しさをあらためて教えてくれた。また、自分よりはるかに年上の「格好いい」大人たちが滑り続ける姿には、目指すべき理想を見た。こうして自然のなかで滑ることの本質的な魅力を見いだした藤田は、写真や映像、文章といったアウトプットや、コースプロデュースやイベントなどの場作りにも積極的に取り組んでいる。それは、滑りを追求することと同じく、滑る魅力を伝えることでシーンのアップデートに貢献したいという想いからだ。十分にボードをしならせ、ノーズからテールまでのエッジをフルに使って自由自在に板を走らせる藤田のライディングは、観る人の心を強く惹きつけてやまない。